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地質学雑誌
 
地質学雑誌の投稿の手引き
2003年1月投稿規定・編集規約等の改訂に合わせて修正
論文題名について 著者名と所属・連絡先の標記について 
アブストラクトについて キーワードについて
論文見出しのフォーマットについて 調査結果の記載について 図表類について
口絵・図版・写真 未公開文献の引用と謝辞 地名対照表について
投稿原稿のページ数見込みについて
文献欄表記の統一 
欧文雑誌名略記例(PDF)  雑誌名等を引用する際の略記例(PDF)  鉱物名などの略号(PDF)
地質学雑誌における古生物記載法(PDF)
印刷校正についてのお願い
口絵・図版・写真
 「百聞は一見にしかず」などと言いだすまでもなく,地質学論文における写真の効用には抜群なものがあります.層序や構造を示すすぐれた露頭写真,証拠となる微化石の顕微鏡写真,鉱物・岩石の組織・産状を一目瞭然に示す写真,衛星画像写真など枚挙にいとまがありません.地質学雑誌においても口絵の写真の欄は評判がよい企画の1つですが,次のことにご注意下さい.
(1) あたりまえのことですが,未発表のものに限ります.特に商業誌に掲載されたものは注意してください.もちろん口頭発表はこの限りではありません.
(2) 投稿規定にあるように地質学雑誌掲載論文の著作権は日本地質学会に帰属します.論文中の写真類も当然含まれます.
(3) 原則として,写真中にスケールを表示してください.顕微鏡写真の場合のスケール・バーの表示,露顕写真におけるスケールまたは大きさのわかるものの表示(たとえばコインとか人物など),遠景写真などはこの限りではありません.
(4) なるべくなら,写真のスケッチを示したほうが理解しやすいでしょう.あるいは写真中に矢印や記号を入れるなど工夫して下さい.どこを不整合や断層が通っているのか,著者のいう○○構造とはどこを指しているのか読者にわかりにくい場合があります.
(5) 写真の枚数が不必要に多い投稿論文がありましたので,現在は写真数の上限を原則として5点に制限しています.写真集ではありませんから必要不可欠なものに絞ってください.
(6) 論文中にカラー写真を入れたい場合は相談に応じますが,著者の実費負担となります.
(7) すぐれたキャプションは写真の価値を高めます.十分に吟味した簡潔な文章を練って下さい.
(8) 口絵は,基本的に写真を中心としたトピックとして下さい.あまり解説文が多くならないように考えて下さい.必要以上に多数の写真を用いると,大きさが小さく見にくくなるだけでなく,それぞれの写真のインパクトも薄れてしまいます.
(9) 規定上は図版と図が区別されており,図は本文中に挿入されますが,図版の場合には末尾にまとめられます.しかしながら,現在の印刷方法では両者に写真の質の違いはありません.
 
未公開文献の引用と謝辞
 過不足や偏りのない引用文献が望ましいことはいうまでもありません.先人の成し遂げた業績を正当に評価し,自己の研究の位置付けを明確にするためにも必要なことです.以下の点についてご配慮ください.
(1) 卒業論文や修士論文などで印刷されていないものの引用は原則としてできません.これにも異論があるところでしょうが,編集委員会で何回かにわたって議論した結果です.理由としては部外者がその論文を閲覧して引用部分の真偽を事実上チェックできないことが多いためです.また,いわば未公表のデータに準ずるので,部外者の勝手な引用による論文のプラィオリティ侵害を防ぐ意味もあり,このように規定されてきました.しかしながら,最近投稿論文の成立に不可欠な引用文献として引用を必要とする場合が見られる場合が出てきました.本来は印刷出版された報告が科学情報として社会に共有されているわけですが,事情により引用を避けられない場合には,編集委員会の判断として以下の回避策を認める場合もあります.
脚注や私信扱いとして引用し,その内容の再現性が検証できる最低限の生データをアペンディックスで記載する(化石データなら写真テーブルなども).その際,論文の著者に同意を得ておくこと(謝辞や共著者)が必要でしょう.
投稿者が関係している(指導した)卒論などでは,上記の連絡などが可能ですが,戦前の卒論など筆者が既に存在しない場合や他大学の場合には,内容の転記の許可が簡単には取れません.その場合には,管理者(指導教官か大学当局)から引用に関する許可を取る必要があるでしょう.これは先に触れた著作権の問題に対する事前の防備策にもなります.
(2) 従来配布が限られている印刷物は引用文献として問題があるとされていますが(総研報告書など),いまや配布状況はかなり改善されているのでケースバイケースとすることになっています.そこで,このような印刷物を投稿者が引用したい場合には,査読者が内容をチェックできるようにコピーを投稿時に同封して下さい.また,受理出版後に読者の要求に応じてコピーを送付できるならば,配布の限られた印刷物でも引用を認める場合があります.(ここでの引用対象はあくまでも印刷物です.出版組織名と場所が標記できなければ引用文献欄に記載できません.)
(3) 投稿者本人に限らず,平行して準備している研究成果は引用できません.「準備中」と「投稿中」が相当します.引用が不可欠な場合には,それらの論文が受理されるまで査読を中断して待っていただいています.また,投稿中の論文が受理された段階で引用は可能になりますが,この場合でも,査読者が受理原稿のコピーを要求する場合がありますので,印刷中の論文を引用する場合にはご準備下さい.なお,著者校正時に印刷中の論文のページ数が確定できない場合には,巻号まで引用文献欄に記載していただきます.
(4) 謝辞の書き方も難しい点があります.誰にでも謝辞を述べればよいというものでもありません.謝辞にのった方には原則として査読をお願いできませんので本当に当該論文に関与した方に限った方がよいと思います.なお,査読者や編集委員会の担当委員などに対する謝辞については,現在は筆者のご判断におまかせしています.
 
地名対照表について
 欧文による投稿には,周知のものを除いて人名・地名・地層名などの対照表をつけるように投稿規定で指定されていますが,最近はあまり見かけなくなってしまいました.あまり厳密には扱っていないのですが,欧文論文で日本・中国・韓国等の地域を扱った場合には,読者の便宜を図るために文末に地名の欧文と現地表記(漢字など)の対照表をつけていただくよう査読時に指示する場合もあります. 日本の場合に限らず,欧文で地名を記述するときに現地の発音にかなっているかどうか確信が無い場合などは,対照表により誤解を避けることができますので,ぜひご検討下さい.
 
投稿原稿のページ数見込みについて
 投稿規定にも明記されていますように,原稿は400字詰め用紙か40字30行の印刷で提出するように指定されています.また,投稿カードにも原稿の刷り上がりページ数を記入いただくようになっています.これらは,編集時に雑誌の構成の際の重要な情報となっているのです.最近ワープロの打ち出しでの投稿がほとんどですが,驚くことに上記の1200字の規定を守っている例の方が少ないのです.さらに,付図類の縮尺や挿入位置の指定もなく,投稿カードの刷り上がりページ数も不明とされている場合などに至っては,編集委員会で字数を数え,付図を縮小した後レイアウトまで行わなければなりません.このような膨大な手間は,本来投稿者の義務であることは言うまでもありませんし,ページ制限ぎりぎりの場合などは,投稿規定違反かどうかの判断も下せません(この例では既に投稿規定違反ですが).また,投稿者の意図に反する様な付図類の縮小なども生じかねませんから,ぜひ投稿前にご自分の原稿のレイアウトや分量を計算するよう心がけて下さい.ちなみに,和文の場合の刷り上がり1ページは(全てを文字で埋めた場合),2754字となります.
 
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