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1. Clarification of the regional and local in situ stresses using the CCBO technique and numerical analysis
SEONG-SEUNG KANG, JUN-NO KIM, KATSUHIKOKANEKO, KATSUHIKO SUGAWARA AND YUZO OBARA
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CCBO(同心円オーバーコアリング)法を用いた広域および地域的現位置応力測定と数値解析
鳥形山の開削された採石場において,CCBO(同心円オーバーコアリング)法を用いて現位置応力測定を行った.さらにバックおよびフォワード解析法を用いて,それらと人工的に作られた斜面の安定性についての3次元有限要素法についても解析した.最大水平圧縮応力軸はNE-SW方向であり,バック解析では,地域的なものと広域的なものの方向はよい一致を示した.しかし,テクトニックな最大水平圧縮応力は現位置測定値よりも大きい値を示す.それは,テクトニック応力の推定に,重力の影響が考慮されておらず,それが,CCBOによる現位置応力では考慮されているためである.フォワード解析では,水平応力値はCCBO値とよい一致を示した.鉛直方向の応力は,深度とともに水平方向よりも急速に増大する.その結果,開削の比較的浅い部分で水平と鉛直応力との比が最大となり,この比は深度とともに小さくなる.つまり,鉱山開削により形成された人工的斜面の応力場は地域的な現位置応力の水平成分に依存することが分かった.
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2. UHP metamorphic records hidden in zircons from amphibolites in Sulu terrane, eastern China
Fulai LIU, Zeming ZHANG, I.KATAYAMA,Zhiqin Xu and S.Maruyama
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東部中国スルテレーンに産する角閃岩中のジルコンに記録された超高圧変成作用
東部中国スルテレーンに層状またはブロック状に産する角閃岩は,角閃石+斜長石+緑簾石±石英±黒雲母±イルメナイト±チタナイトの鉱物組み合わせを有している.また,同テレーンには,28kbar以上の高圧で形成されたエクロガイト相の岩石も分布している.今回,この角閃岩に含まれるジルコン中の包有物として,コーサイトを含む超高圧鉱物の組み合わせ(コーサイト,ザクロ石,オンファサイト,ルチル,アパタイト,フェンジャイト,マグネサイト)を,ラマン分光・電子線プローブ微小域分析によって確認した.これらの超高圧鉱物はジルコンの中央部に,一方石英などの低圧鉱物は周縁部に産する傾向がある.これらの超高圧鉱物の化学組成は,エクロガイト相岩石の基質部を構成する鉱物とほぼ同一の化学組成を有し,これらから推定される最高変成作用の温度圧力条件は,エクロガイト相岩石のそれらに匹敵する.これらの観察事実は,本地域の角閃岩は,超高圧エクロガイト相の岩石が,下降変成作用の過程で角閃岩相の変成作用を被ったことを示している.
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3. Lithology and palynology of Neogene sediment on the narrow edge of the Kitakami Massif(basement rocks), northeast Japan: A significant change for depositional environments due to plate tectonics
Koji Yagishita, Akiko Obuse and Hiroshi Kurita
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北部北上山地東縁(太平洋岸)には,上部白亜系Santonianとされる浅海性堆積層を主とする種市層がほぼ南北方向に狭く分布する。しかし,北端部では明瞭な基底礫岩層を有する河川堆積層が見られ,この堆積層は産出する微化石に基づいて第三系と考えられたがその詳細な年代は不明であった。岩相解析から網状河川の堆積場を示すこの堆積層からは,明らかに異地性(再堆積)であることを示すチップ状の泥炭層があり,始新世を指示する渦鞭毛藻化石群集が産出する。しかし同時に産出する花粉化石群集は後期漸新世〜中新世を示唆する。また泥炭層は径40cm以上の巨礫群をドレープ状に被い,さらに巨礫群には洪水に伴うarmored mud ballも含まれることが判った。これら誘導化石の産状および岩相から,該当する北上山地東縁は中新世の大陸より分離した,弧状列島上の急峻なる後背地をもつ網状河川系の堆積環境であった,との結論を得た。 |
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4. Cenozoic deformation history of the Tan-Lu fault zone (north China) and dynamic implication
YUEQIAO ZHANG, WEI SHI AND SHUWEN DONG
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北中国のタンルー断層帯の新生界変形史とそのダイナミックな解釈
北中国のリフト盆地に関連させて,白亜系と第三系の岩石中のスリップベクトルの野外での解析を行った結果,タンルー断層帯の新生界変形史は3つの主たるフェーズに区分された.すなわち,初期第三紀の正断層とNW-SE方向の水平引っ張り,中新世の正断層とNE-SW からNNE-SSW方向の水平引っ張り,および第四紀における右水平ずれとENE方向のトランスプレッションである.最初のものは,北中国におけるリフト盆地の形成に直接関与し,アジア大陸下への太平洋プレートの沈み込みのロールバック効果によるものである.二番目のものは,日本海の拡大に伴うものかもしれない.最後のものは,タンルー断層帯中央部付近に限られ,インド・ユーラシア衝突の後期の影響がこの遠隔地まで及んだものである.
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5. Lithofacies and eruption ages of Late Cretaceous caldera volcanoes in the Himeji-Yamasaki district, SW Japan: Implicaton for ancient large-scale felsic arc volcanism.
Takahiro Yamamoto
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西南日本内帯姫路―山崎地域に分布する後期白亜紀火山岩の層序と噴火年代を再検討し,異なる陥没カルデラを埋積した15の累層に区分し直した.その活動時期は82〜65Maにわたる.各累層が埋めるカルデラの直径は1〜20kmで,高角度の不整合面で囲われている.いずれの累層も基盤の角礫からなる岩屑なだれ堆積物をレンズ状に挟んだ,厚い火砕流堆積物からなる.後期白亜紀西南日本での単位面積あたりカルデラ形成マグマ噴出率は,ニュージーランドのタウポ火山地域などよりも1桁以上小さく,新生代後半の東北日本と同程度である.西南日本内帯の膨大な後期白亜紀火成岩も,生産性の低い珪長質マグマ活動の長期間の蓄積により形成されたものである. |
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6.Evolution of the Komiji Syncline in North Fossa Magna, central Japan
---Paleomagnetic and K-Ar age insights---
SACHIKO NIITSUMA, NOBUAKI NIITSUMA AND KOZOU SAITO
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北部フォッサ・マグナ南西縁の褶曲構造の一つである込地向斜の軸部には鮮新統柵層が分布する.この研究では,柵層中の安山岩類の古地磁気とK-Ar年代測定を行った結果,込地向斜を形成した褶曲運動は,4.42±0.12Ma以降に始まり1.65 Maにはほぼ終了したことが明らかになった.古地磁気測定用の定方位試料は,浅海性堆積物中へ貫入する安山岩岩床で4地点と河川性堆積物中に狭在する安山岩溶岩の3地点から採取した.熱消磁と交番磁場消磁実験の結果,これらの試料からは安定した残留磁化が検出された.各地点の残留磁化方位は,堆積岩の走向傾斜を用いて傾動補正を行うと,D = 169.0°, I = -58.5°,α95 = 9.0°の逆帯磁方位によく集中し,褶曲テストに合格する.このことは込地向斜の形成前に,溶岩と岩床は定置したことを示している.また古地磁気測定を行った試料から新鮮な4試料を選び,石基を用いてK-Ar年代測定を行った.その結果,岩床から採取した3試料は,4.42±0.12,4.49±0.12,4.69±0.12 Ma,溶岩から採取した1試料は5.91±0.26 Maを示し,Gilbert逆磁極期に対応する.これらの安山岩類を狭在する込地向斜は,1.65 Maの広域対比されているTZ100凝灰岩層を狭在する更新統の堆積物に不整合で覆われている.従って込地向斜の形成は,最も新しい岩床の年代である4.42±0.12Ma以降の鮮新世に起き,更新世初めにはほぼ終了していたと考えられる.今回明らかになった込地向斜の形成時期は,南部フォッサ・マグナにおける丹沢ブロックの衝突以降であることから,フィリピン海プレートの北西進が北部フォッサ・マグナの変形に影響している可能性があることを示唆する. |
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