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地質災害委員会
 

地質災害 Q & A

 日本地質学会では,HP上にQ&Aコーナーを開設いたしました.一般の方々からの質問やお問い合わせは下記にお寄せ下さい.また,関連情報もご参照下さい(土砂災害,急傾斜地の崩壊などに関する解説)


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<よくある質問>
(Q1)活断層と普通の断層は何が違うのですか?
(Q2)中越地震で大きな被害を受けた新潟県山古志村の地盤はどのような地層からなっているの?
(Q3)地すべりはどのような原因で起こるのですか?
(Q4)土石流って何ですか?
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<こたえ>
(Q1)活断層と普通の断層は何が違うのですか?
(A1)
 日本のような変動帯では,断層はいくつもの地質時代を通して形成されてきました.私たちは,崖の断面で地層のくい違いとして,断層をみることができます.断層はずれ動きの向きのちがいから,正断層・逆断層・横ずれ断層に分けられています.横ずれの場合には,断層面をはさんで向こう側がどちらに動いたかで,右ずれと左ずれが区別されます.
 なかでも最も新しい時代の第四紀(約180万年前以降)に繰り返し活動した断層は,将来も活動する可能性が大きいので,活断層とよばれています.日本の内陸部の活断層は,大部分が数百年から数千年に1回ぐらい間欠的に活動して地震を起こしています.活断層の一度に動く長さが長いほど,大きな地震が発生します.
リーフレットシリーズ「大地の動きを知ろう―地震・活断層・地震災害―」より)

(Q2)中越地震で大きな被害を受けた新潟県山古志村の地盤はどのような地層からなっているの?
(A2)山古志村の地質の説明はこちらから

(Q3)地すべりはどのような原因で起こるのですか?
(A3)
 地すべりが発生するメカニズムは2つの原因があります.
 1つは地形や地質,地下の状態(地層の傾きや風化の度合い,断層の有無,地下水など)が地すべりを発生させる条件が整っている(素因と言います)ところです.
 もう1つは,地すべりを発生させる引き金で,自然現象(梅雨の長雨,雪どけ水,台風などの集中豪雨,地震など)や斜面を掘削したりあるいは土を盛ったり,トンネルの掘削,ダムに水を貯めるなど人為的誘因によって発生します.
 すなわち,地すべりが発生しやすい地質的条件などの素因がある斜面に,地下水の上昇や地震力などが誘因となって起こります.地震による地すべりを除いて,地すべりが発生する直前には斜面に割れ目ができたり,小さな崩壊が発生したり,湧水が濁るなどの前兆現象が発生することがあります.特に,大雨があったあとや雪どけ水が大量に発生したときなどは注意が必要です.
(上砂正一 明治コンサルタント(株)・日本地質学会会員)

(Q4)土石流って何ですか?
(A4)
 集中豪雨,長雨で山腹の一部が崩壊すると大量の土砂と水が渓流に流れ込み,川底の土石とともに津波のように一気に下流へと流れていく現象です.
 土石流の先頭の部分は,大きな岩や流木などが集まってもり上がっています.土石流の速さは,規模,斜面の傾斜によって異なりますが,時速20〜40kmの速度になります.土石流は大きな運動のエネルギーを持っているため,土石流の通り道にあたるところは一瞬にして建物や畑を破壊してしまいます.
 一般的に,土石流は集中豪雨が原因で起こりますが,地震や地すべりでくずれた土砂が川に流れ込んだり、雪どけ水が土砂とまじったりして起こることもあります.また,雲仙普賢岳に見られたように,火山の噴火でつもった火山灰に雨がふって起こる土石流もあります.
(上砂正一 明治コンサルタント(株)・日本地質学会会員)
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