倫理規定策定委員会
 

地質学会倫理綱領(第1案)

 (2003年4月25日)News誌2003年5月号掲載

  地質学会の会員は,科学的真理の追求の名において,地質学および関連科学の研究・調査を行う.その成果を広く社会に公表することにより地質学および関連科学の進歩普及を図り,もって社会の発展と人類の福祉に貢献する.地質学会の会員は誠実かつ真摯に学術的研究と技術の発展に努め,基本的人権を守り,良識かつ品位ある行動をする.

1. 科学者としての倫理:会員は、専門知識の向上および地質学と関連科学の発展を目指して自己研鑽を図る.研究と調査においては法を遵守し,良心的に行動する.科学的事実に対しては常に謙虚,誠実でなくてはならない.研究成果と技術上の知見を広く社会に公表し,公表にあたっては先人と他者の業績を尊重する.

2. 知的交流の確保:会員は,国際交流や他分野との交流を積極的に進めることにより,研究成果と技術上の知見が科学的に広く吟味・検証されるよう努める.

3. 人類社会への責務:会員は地質学および関連科学の専門家として,その専門的知識と技術を適切に利活用し,研究・調査の成果を広く社会に敷衍することにより社会の発展と人類の福祉に貢献する.

4. 地球環境への責務:会員は地球システムの諸現象と進化についての専門家として,地質災害の予知と防止,地球環境の将来予測や資源の適正な活用に関する情報を提供する.自らの研究と調査がもたらす環境への影響を最小限にするよう配慮し,専門知識を活かして環境の保全と改善に努める.

5. 次世代への責務:会員は,地質学と関連科学における学術と技術の継承と発展,社会への普及と啓蒙を図り,次世代を支える人材の育成に努める.

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