関東地方の大地を知る 2003/05/17
 2003年関東支部講演会を,5月17日午後,北区北とぴあを会場に開催しました.今年は関東地震から80年目にあたります.中央防災会議が首都圏での直下地震は何時起きてもおかしくないと発表してすでに10年近く経過しています.
 一方,近年,首都圏での地質構造についての知見も急速に蓄積されてきました.地方地質誌「関東地方」の刊行準備も着々と進んでいるようです.
 そこで,今期総会行事として,迫りくる大地震に対して,地質学はどこまで解明してきたかをテーマに講演会「関東地方の大地を知る」を開催しました(参加者約100名).
 講師に関東地方地質誌編集長である佐藤正氏(深田地質研究所)と若手研究者である宍倉正展氏(産総研・活断層研究センター)を迎えました.佐藤氏からは「関東地方の地質構造の解釈の変遷」と題して,日本の地質研究の揺藍地である関東地方での研究史,特にプレートテクトニクスと放散虫革命による層序の根本的に見直される経緯と新たな仮説の提唱など,進展する地質学の状況をわかりやすく説明いただきました.また,宍倉氏からは「地形・地質から見た関東地震の繰り返し性」と題して,房総・三浦半島に達する離水海岸地形や生物化石の詳細な調査結果をもとに,関東地震の繰り返し性について報告いただきました.(支部長 中山俊雄)
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