●はじめに
 2006年5月中旬に,表記のCD-ROMが発行されました.地質学関係用語の和英・英和対訳関係,同義語関係をまとめた「地質学用語集―和英・英和―」(日本地質学会編,共立出版株式会社,2004,440p;以下,書籍版)をもととしたものです.概要は日本地質学会News, Vol.9, No.3 (2006)に紹介していますが,ここにCD-ROMのカラー画像をより多く例示し,あわせて,購入方法をご紹介します.なお,それぞれの画像をクリックすると,大きな画像をご覧いただけます.

●作成の経緯
 
2004年9月に「地質学用語集―和英・英和―」(日本地質学会編,共立出版株式会社,440p;以下書籍版)が出版されました.本学会の地質学用語集出版委員会(委員長:坂 幸恭,2002年〜2004年)により,地質学と関連科学技術分野の学術用語の日本語・英語の対訳関係と同義語関係について約50名の協力のもとに編集されたもので,「和英の部」約8,900語,「英和の部」約8,500語,「略語の部」約110語が収録されています.同義語関係については,できる限り推奨語が識別されています.

 この出版後に,本学会地質基準委員会(委員長:新妻信明)でその内容をさらに充実させることが検討され,書籍版をもとにして用語辞典を作成するとともに,第一段階として,多面的に検索・利用でき,また会員の方々からも要望のあったCD-ROM版を作成することが計画されました.

 そして,地質基準委員会のもとに新たに設けられた地質学用語辞典編集委員会(委員長:水野篤行,2005年〜)が共立出版株式会社の協力を得て,その具体化,とくにデジタル用語ファイル(書籍版の本体に相当)の設計と編集の検討,作成を進めてきました.このほど「デジタル地質学用語集―和英・英和―Windows版」として完成し,2006年5月に共立出版株式会社から発行される運びとなったものです.

●CD-ROMのおもな動作環境  !! とくにご注意下さい !!
オペレーティングシステム:Microsoft Windows 98,Me,NT4.0(ServicePack4以上),
2000,XP
アプリケーション:Microsoft Excel 2000以上
Macintoshには非対応です.
デジタル用語ファイルはExcelのマクロ機能を使用しています.開くときには,セキュリティ
レベルを中に設定しマクロを有効にする必要があります.
●CD-ROMの構成
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CD-ROMは次の4つのファイルからなっています.
「はじめにお読みください」(Text)
「デジタル地質学用語集について」(PDF)
「デジタル用語ファイルの使い方」(PDF)
「デジタル用語ファイル」(Microsoft Excel)(約5MB)

 CD-ROMをパソコンにセットすると,これらのアイコンが現れます.そのほか,2つのPDFファイルを開くためのAdobe Readerがセットされています.Adobe Readerがパソコンにインストールされていない場合には,これをご利用ください.

●デジタル用語ファイルについてページトップに戻る
 
「デジタル用語ファイル」は約5MBの規模を持つ本デジタル用語集の本体で,地質学関係用語の和英・英和対訳関係と同義語関係をまとめたものです.収録語,対訳関係,同義語関係,推奨語の識別など,編集方針は書籍版の内容に基本的にはしたがっています(詳しくはファイル「デジタル地質学用語集について」に記述).
 
 しかし,収録語に若干の追加・削除を行い,またデジタル版としての有利性と使い勝手の面を検討して,工夫・改訂を加えました.それは,自由に検索できる機能,別のファイルからコピーした用語を貼り付けて検索する機能,別のファイルに貼り付けるために検索結果をコピーする機能です.

 2つのPDFファイルも併せてオフラインで使用でき,エクセル搭載のパソコンがあれば,どこでも利用できます.ただし,前述のように,マクロ機能を使用しているので,開く際にはセキュリティレベルを中に設定して,マクロを有効にすることが必要です.

 画面は,スタートアップ画面,収録用語の一覧画面(日本語と英語それぞれ),検索画面・検索結果画面からなり,これらを相互に容易に切り替えることができます.
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●デジタル用語ファイルの起動
 
Microsoft Excelでファイルを起動すると,その画面上にスタートアップ画面が現れます(図3).以降の操作は,すべてデジタル用語ファイルの画面内で行ない,エクセル画面上部のボタンやバーは利用できません.ただし,下部のタスクバーと言語バーは利用でき,必要に応じて用いることになります.

 スタートアップ画面上で,「検索画面の表示」あるいは「一覧画面の表示」を選択します.
図3 エクセル画面上に現れるスタートアップ画面
●一覧画面
図4-1 一覧画面(日本語一覧)(一部) 図4-2 一覧画面(英語一覧)(一部)
 一覧画面には,日本語・英語それぞれの収録用語の全リストが表示されます.スタートアップ画面で検索画面を選択すると,日本語一覧が初期画面として現れます(図4-1).その画面のなかで英語一覧を選択すると,英語一覧が現れます(図4-2).
 
 検索したい語を選択して「検索画面を表示」をクリックすると,次の検索画面(入力画面)に自動的に入力されて,直ちに前方一致(後述)によるその検索結果の画面を得ることができます.何も選択せずにクリックすると,検索画面(入力画面)(図5-1)が現れ,検索語/文字を入力できる状態となります.

●検索画面(入力画面)
図5-1 検索画面(入力画面)

 一覧画面で「検索画面を表示」をクリックすると,図5-1の入力画面が表示されます.この画面には,和英検索(日本語→英語)と英和検索(英語→日本語)の選択肢,検索する用語の入力窓,検索条件の選択肢(初期画面は前方一致)が設定されています.

 和英/英和検索の選択:和英検索・英和検索のどちらかを選択します.

 入力(検索する用語):用語あるいは文字を入力します.和英では漢字入力・ひらがな入力,何れも有効ですが,ひらがな入力では検索結果に漢字が表示されるほか,同音異語がすべて表示され,検索結果に違いが出ることが少なからずあります(図7,8).カタカナ入力は本来のカタカナ語を除いては無効ですが,本来のカタカナ語もひらがな入力で検索可能です.英和では,大文字入力・小文字入力,何れも有効です.

図5-2 検索条件を表示している検索画面(入力画面)

 検索条件の選択:▼のクリックにより,前方一致・完全一致・部分一致の選択肢が示されます(図5-2).検索条件を違えることにより,次のように検索結果が異なってきますので,どのような検索結果を求めるかにより,その設定条件を選択することになります.

前方一致 → 入力語/文字を前方に含む収録用語   
完全一致 → 入力語/文字に一致する収録用語
部分一致 → 入力語/文字を一部に含む収録用語

 検索:和英/英和検索の選択,入力,検索条件の選択をした後,検索ボタンをクリックすると,検索結果が表示されます.検索条件を変えると,それに応じた結果が表示されます.実例は次に紹介します(図6以下参照).

 収録されていない用語やスペルミスの入力,あるいは,和英の条件で英語の入力,逆に英和の条件で日本語の入力などを行うと,検索結果の欄は空白となり,その左上側に「該当する用語が見つかりませんでした。」と表示されます.

●検索結果(和英の例)
図6 「層」の前方一致検索(一部)

図7 「層」の完全一致検索

図8 「そう」の完全一致検索

図9 「層」の部分一致検索(一部)

 まず,和英検索の結果の例として,「層」の前方一致検索結果(図6)と完全一致検索結果(図7),「そう」の完全一致検索結果(図8),「層」の部分一致検索結果(図9)を示しました.これらは,画面からお分かりいただけるように,検索条件を違えた場合の結果の相違も示しています.

 以下,検索結果の画面の表示形式の概要を説明します.貼り付けボタン(入力窓の右下側)と「検索結果をコピー」ボタン(検索結果の左下側)については,何れも後述します.

 検索結果は,入力画面のすぐ下に3列構成で表示されます.左から日本語列,その対訳を示す英語列,備考列です(英和については図13-15参照).

 日本語列には,入力語/文字の日本語検索結果が示されます.難読字には(  )にひらがな読みが付けられています.また,用語の使用に特定の専門分野がある場合には[層序単元]などと示しています.

 英語列には,それらの対訳英語をその同義語とともに表示し,対訳英語が略語の場合にはその後ろに[略語]を付しています.同義語はその列に縦に併記しています.

 備考列には,検索された日本語の同義語が対訳英語ごとに示されています.△印は,同義語の対訳英語が異なる場合に付けられています.

 同義語間の関係は,アステリスク(*と**)によって,示しています.単一の推奨語が識別されている場合にはその同義語に*を付し,死語あるいは使用が好ましくない語には**を付しています.

 そのほかの例(ひらがな入力による「がんせき」の検索結果)を次に図10〜12に紹介します.何れも表示形式は上記と同一です.

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図10 「がんせき」の前方一致検索(一部)

図11 「がんせき」の完全一致検索

図12 「がんせき」の部分一致検索(一部)

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●検索結果(英和の例)
図13 「ocean」の前方一致検索(一部)

図14 「ocean」の完全一致検索

図15 「ocean」の部分一致検索(一部)

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 図13-15には,英和検索の場合を「ocean」を例として示しました.
 表示方式は基本的には和英の場合と同じです.ただし,左側から英語列・日本語列・備考列となっています.
 
 英語に略語がある場合には,略語が「略語:・・・」として表示され(図13,15,英語が略語である場合には,そのフルスペル語が英語の後ろに[ ]を付けて示されます(図15).
 
 英語の同義語は備考列に示され,日本語の同義語は日本語列に縦に併記されています.
 
 入力された英語は単なる文字列として認識され,検索されるので,前方一致検索では「ocean」だけでなく,「ocean」の文字を語の前部に含む用語が検索されます(図13).部分一致検索でも同様ですが,それをどこか一部に含む,より多くの語が検索されます(図15).たとえば「rock」を部分一致検索すると,「rock」を語のどこかに含む用語すべてを検索できます.

●1文字の入力による検索結果ページトップに戻る
図16 「o」の前方一致検索(一部)

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 たとえば,英和で「o」の文字を入力して前方一致検索すると,図16に示したように,「o」と「O」を先頭文字とするすべての収録用語の検索結果が表示されます.
 このように,英和ではアルファベットのそれぞれを入力して検索すると,先頭文字が用語一覧に掲載された「o」と「O」の収録語すべての検索結果が得られます.

 和英でも同様で,50音のそれぞれ,たとえば「か」などの文字を前方一致検索すると,直ちに用語一覧に表示された収録語の検索結果が現れます.なお,和英の場合,濁音と半濁音はそれぞれ別に入力する必要があります.たとえば,「ば」の前方一致検索の例を図17に示します.

図17 「ば」の前方一致検索(一部)

●貼り付けボタンとコピーボタンについてページトップに戻る
 
以上に掲載した諸画面に表示されているように,常に入力画面には貼り付けボタンが,検索結果の画面にはそのほか,画面の左下側に「検索結果をコピー(以下コピーボタン)」のボタンが現れています.
 
 貼り付けボタン:別のファイル上の用語を本ファイル上で検索したいときに用います.すなわち,コピーした用語をこのボタンをクリックして検索窓に貼り付けて(入力して),検索します.本ファイル上で表示された検索結果をコピーして入力窓に貼り付けて,検索することもできます.
 
 コピーボタン:検索結果の対訳語(和英の場合の英語,英和の場合の日本語をコピーして別のファイルに貼り付ける際に用います.検索用語(和英の場合の日本語,英和の場合の英語)と備考列の語はコピーできません

●価格と購入について 
頒布価格:本体3,500円+税(+送料)
会員割引価格:3,200円(税・送料込)

 本デジタル地質学用語集は,CD-ROMとして通常の書籍販売ルートにのらず,共立出版株式会社の直販となっています.ホームページの「会員のページ」に同社の注文用紙(PDF)のダウンロードボタンがあり,ダウンロードした用紙にご記入の上,ファクスで同社にお送りいただくと,直ちに同社から送品されます.あるいは地質学会ニュース誌5月号巻末掲載の注文用紙も利用できます.上記の方法で,共立出版株式会社に注文されると,会員割引価格で購入できます.


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●内容に関する問合せ先
 
水野篤行 mizunoaty@jcom.home.ne.jp(全般について)
 上砂正一 uesuna@mua.biglobe.ne.jp(技術的問題について)

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