ホームページへの原稿投稿

地球なんでもQ&A(仮称)

概要:これは地球科学に関する想定問答集であり、読者からの質問に直接答えるものではありません。コーナーのトップには「これは地質学会としての統一見解ではなく、読者の理解の一助としてインターネット委員会が整備したものです」と明記され、それぞれの記事に解説者の名前と所属がつきます。希望があれば解説者本人や所属機関のホームページへのリンクを貼ることができます。

執筆者:会員もしくはインターネット委員会に執筆を依頼された者は投稿することができます。

対象読者:対象は、中学理科以上の知識を有し、地球や地質に関心のあるインターネット読者です。

例:普段は地質や地球科学に関心はなかったが、ニュースの言葉として恐竜、火山、地震、プレート程度は知っていた。ある日ふと関心がわきネットで検索し、多々あるサイトの中でも地質学会のサイトがおもしろくわかりやすそうなので選んで来訪した読者。

内容:一般的な地球や地質に関する疑問や関心に応え、専門的になりすぎないようにして下さい。

原稿長さ:400字程度を標準とします

図・写真:できるだけあるほうが望ましいです。ラフスケッチやからボランティアイラストレーターに清書を依頼することができます。依頼方法は別途定めます。

その他:
・投稿記事はインターネット委員会により「日本地質学会ホームページへの投稿規定」の(3)校閲の規定に加え、他の設問とのバランスも考慮されて校閲されます。
・引用は適切に行ってください。



Q 活断層はなぜ危険なの?
A 将来、大きな地震が直下で起きるからです。
 地震は、断層が動くことによって生じます。でも、全ての地震で地表の活断層が動くわけではありません。比較的震源が浅く、地震の規模がマグニチュード5以上の時にだけ、地表に出現します(活断層研究会、1991)。つまり、活断層があると言うことは、震源が浅く、マグニチュードの大きな地震が起きたことを意味しているのです。
 また、断層にはいろいろあり、大昔は活動していたけれども、もはや死んでしまった断層もたくさんあります。地震は地殻に力がかかって、歪が生じて、限界に達すると断層が破壊することで生じます。そのため地殻にかかる力の大きさや向き、地殻の構造や性質といったものによって、どの断層が動くのかが決まります。この地殻にかかる力や構造といったものは、何1000万年という長い地質的時間のうちには、ゆっくりと変化しますが、ここ数100万年くらいの間では、ほとんど変わりません。そのためここ数100万年間のうちに動いたことのある断層は、今後また活動する可能性があります。
 ですから、活断層があるということは、震源が浅く、比較的大きな地震が、将来繰り返し起きる可能性があることを意味します。
文献;活断層研究会編,1991,〈新編〉日本の活断層,pp437.

Q 底なし沼の下はどうなっているの?
A 岩盤があります。
 私たちの暮らしている街や山々の表面、そして海や湖の底には土や砂や泥といった堆積物が広く覆っています。なかには軟らかい泥が厚くたまっている場所もあり、底なし沼と呼ばれたりします。でも、それがずっと続くことはありません。地下深くなると圧力が上がってきて、堆積物中の水分は押し出され、泥も固くしまってきます。堆積物がもっと地下深くまで持ち込まれると、温度も上がり、時間が経つといずれは岩石へと変化します。水分を豊富に含んだ軟らかい泥が、どこまでも続くことはないのです。私たちの足元の深いところは、すべて岩石なのです。これを岩盤と呼びます。底なし沼も、森の腐葉土も、砂漠の砂も、海底の泥もすべて地球表面を覆っているだけなのです。
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